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【茶道具・蒐集レポ】給湯流茶道が考える「井戸茶碗」
戦国時代、「井戸茶碗」が武将の間で大流行しました。
根津美術館サイトより
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/past2013_n07.html
朝鮮の庶民のみなさんが
ご飯を食べるときにつかってた雑器を
抹茶をたてつ茶碗に見立てたのが井戸茶碗、という説があります。
粗悪な土でできていて、ゆがんだり、ひびが入ったりしている
井戸茶碗。
これが、荒ぶる戦国武将の間で超流行ったのです!!!
おそらく、ダメージジーンズのような勢いで
好まれたのでしょう。
だれが天下をとるかわからない時代。
昨日まで雑魚だった武将が一気に昇進したり
信長がいきなり姿を消す時代。
きれいに整った茶碗を好む正統派の価値観は崩れ
不完全でゆがんだもののほうカッコいいー!!!!!と
思われたのかもしれません。
そして、給湯流は
現代の井戸茶碗として、
粗悪な素材でできた、子どもの御飯茶碗などを
蒐集しています。
写真/岸本咲子
茶道では、もともと茶道具ではないものを茶室に持ち込んでお客さんをおどろかせる「見立て」というルールがあります。
給湯流では、抹茶をたてる茶碗はすべて見立ての道具でそろえています!!!
給湯流・家元が所持
名物・井戸茶碗 銘「ダッー」
↓こちらは知る人ぞ知る「侘びご飯茶碗」デッドストックを豊富に残っている瀬戸物屋さんで購入。
侘びた風情の昭和な子ども茶碗。
おそらく戦後すぐ作られたものでしょう。
「ダッー」と、書き文字の表記が、「ッ」と「ー」順番が間違っている不完全さと手書きのつたない躍動感!ここに侘びさびを感じさせます。
給湯流で井戸茶碗の名品と認めて以来、
徳川幕府の菩提寺である東京港区・増上寺、
戦国合戦の岡山・備中高松城付近、
茶人大名・松平不昧の松江城おひざ元(の商店街)
などの茶会で使用してきました。
皆様も、ご実家に眠るこのような名品を見かけましたら、ぜひ給湯流茶道へご寄贈くださいませ!!
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